〜其の肆〜スポーツでの怪我を防ぐ靴の選び方《トップライン編》
こんにちは、赤嶺です。バスケットシューズでよく見かけるハイカットシューズ
最近では、バレーやテニス、サッカーでも
ハイカットデザインのシューズをよく見かけるようになってきました。
昔からよく言われていますが、ハイカットシューズが
足関節捻挫の予防の観点から勧められているのは
ご存知の方も多いのではないでしょうか?
では実際にハイカットシューズによって足関節捻挫の発生率が下がるのでしょうか?
622名の大学生を対象にした海外の文献があるのですが、
結論からいうと
ハイカットシューズとローカットシューズで
足関節の捻挫の発生率に大差はないとなっています。
また、ハイカットシューズを履くことにより
足関節を機能的に安定化している筋活動の低下を招き
予防どころか有害である可能性があるという報告もあります。
カッティング動作やジャンプの着地動作の多いスポーツで
発生率の高い膝関節ACL(前十字靭帯)損傷の受傷時を
動作解析の結果、接地時に踵から接地し、
足関節背屈角度(足首を反る)が小さく、
その分、股関節を曲げる角度が大きいことがわかっています。
※実際の受傷シーン
下肢の障害予防の為には接地時に前足部(つま先側)で荷重し、
足関節がしっかりと反れることで下腿を前傾させる姿勢を
取れることが重要になってきます。
しかし、
極端な話をするとブーツや長靴では
しっかりと足関節を反れないのと同じように
ハイカットシューズで一番上まで靴ひもを締めた際に
先述した足関節背屈し十分に下腿を前傾させる姿勢を
とりずらくなってしまいます。
まとめると
怪我を予防する靴の選び方とうテーマを元に解説した場合、
ハイカットシューズは
・足関節捻挫は予防できない
・足関節の機能的安定性を低下させる可能性がある
・足関節の可動域が低下し、他の怪我のリスクが増す
あえてハイカットシューズを選ぶ理由として
あまりポジティブなものがないのが現状です。
もし、スポーツ外傷で発生頻度の多い足関節捻挫をはじめ
その他のスポーツ外傷・スポーツ障害の予防の観点から
ハイカットシューズを使用していたり
これから購入を考えている場合は
先述したことを考慮し、ミドルカットまでにするか
サッカーなどの場合、トップラインといわれる靴の吐き口が
ソックスタイプの比較的柔らかいものを選ぶなど
プレースタイルやポジションに合わせて
よく検討した方がいいでしょう。
《参考文献》
田中康仁、笠次良爾:こどものスポーツ外来
長沼裕太:バスケットシューズの違いが足底圧に及ぼす影響
Barrett JR,et al:High-versus low-top shoes for the prevention of ankle sprains in basketball players.
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