〜其の弐〜スポーツでの怪我を防ぐ靴の選び方《足幅編》
こんにちは、赤嶺です。前回に引き続き《怪我を予防する靴の選び方シリーズ》です!
今回は一番悩みの多い靴の幅が足にあっているかについて
これはJIS規格の足幅(ワイズ)と足囲によって決まります。
靴を履いた際に足の形状で一番幅のある足趾の付け根の部分が
強く圧迫されていなければ大丈夫なのですが、
余裕がありすぎてもよくありません。
靴の材質によって履いているうちに徐々に伸びてくる布製や
カンガルーや牛などの天然革を使用したものは
非常に履く人の足に馴染みやすいので
購入する際はジャストフィットぐらいの大きさが良いでしょう。
しかし、最近のシューズは人工革や合成革を使用している物が多く見受けられます。
これらの材質は加工がしやすくデザイン性に優れた物が多い反面
先述した布製や天然革の靴と同じようにジャストフィットで選んでしまうと
試し履きでは良かったのに実際にスポーツで使用した際に
思ったより窮屈などの思わぬトラブルが発生する可能性が高いです。
靴のサイズ基準であるJIS規格では足幅に合わせて
A〜4Eまでありますが、一般的に販売されている
普通の靴の横幅は2Eとなっています。
日本人学生2,400足の足長と足囲の分布の調査によると
JIS 規格の男子用・女子用それぞれで分類したところ
最多の足囲サイズは男女とも「D」で
男子24.25%、女子 27.25%であった(図1)と早川らが報告しています。
主に生産供給されている「2E」は8.38%、
「E・2E・3E」を合計しても27.21%にすぎず(図3)
一般的に販売されている靴の標準幅が2Eであるとするなら
ジュニアの足はやや細身であり、横幅があっていない可能性があります。
私たちも臨床の中でよく遭遇する
靴の不適合(足幅/足囲)による怪我と思われる症例に対して
特に「靴ひも」に注意するように指導しています。
ほとんどのメーカーが最初から靴紐が通してありますが、
そのまま試し履きしてしまうとキツく感じてしまい
購入後に改めて靴ひもを全部緩めて締め直すと
少し余裕ができてしまいます。
さらに長期間使用するとアッパーが少しずつ伸びて
一層緩みが強くなり、適正サイズより大きな靴により
足の遊びが増すことで、地面を蹴る力のロスが発生します。
足長サイズよりも足囲サイズの大きさの方が有意にロスが発生する事がわかっています。(図7)
靴選びの際だけでなく、日常の使用においても
面倒ではありますが、履く度に靴ひもを全部緩めて
足先から順にしっかり締めるようにして下さい。
もう一つ足囲に影響を与える因子として「ソックス」があります。
競技用の靴を選ぶのであれば
競技で実際に使っているソックスを履いて靴の適合性を確認した方が良いでしょう。
足長(サイズ)、足幅(ワイズ)、足囲にあった靴を選択できるようになると
前回〜其の一〜でご紹介した靴選びのポイントを満たすことができます。
これら靴選びのポイントはただ履いて確認するだけでなく、
実際に靴を履いた状態で走行、ジャンプ、カッティング(切り返し)動作など
ショップの方に許可を得てから動作確認までしっかり行って下さい。
先述した足長(サイズ)、足幅(ワイズ)、足囲の他に
足の大きさに関する因子として左右が挙げられます。
左右差のある子供は約3割と少なくないため注意が必要です。
左右差がある際の靴選びの問題となるのが、
「どちらに合わせるか?」
大きさが違う場合は、大きい方に合ったサイズを選び
小さい方はインソール(中敷き)を入れて対応します。
以上、足の大きさによる靴の選び方をご紹介してきました。
《参考文献》
田中康仁、笠次良爾:こどものスポーツ外来
早川家正ほか:三次元足型計測から中学生に必要とされる複数幅シューズの開発
林亮誠ほか:靴のサイズ不適合が蹴り出し動作に及ぼす影響
日本学校保健会:足の健康と靴のしおり.2010
日本工業規格:靴のサイズ JIS S 5037.1998
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