〜其の参〜スポーツでの怪我を防ぐ靴の選び方《ソール編》
こんにちは、赤嶺です。好評いただいているポーツでの怪我を防ぐ靴の選び方ですが
思った以上に読んでいただけているようで
皆さんの関心の高さが伺えて嬉しい限りです。
少しずつではありますが、私たちが臨床の中で遭遇する
親御さんからの相談内容を少しずつではありますが、
解答と解説をアップして行こうと思います!
さて、本題に移っていきます!
今回はサイズに関することではなく、
各スポーツ別で使用される専用のシューズの代表的なものピックアップし
それぞれの特徴と注意点を挙げていきます。
スポーツで使用する靴選びは誰もがパフォーマンスを重視して
セレクトする事が多いのではないでしょうか?
その中の一つにソールの種類と機能性(グリップ)がありますが、
日常の生活動作とは違って、特異的な動作を必要とするスポーツにおいて
靴底(ソール)と床面の摩擦がもたらす床反力といわれる力の伝導は
カッティング動作の多いスポーツには重要なファクターとなります。
体育館内で行われる競技では
コート床面の違いや靴底に大きな違いはないので気にする事はないですが
例えばテニスはコートの種類に
・ハードコート
・クレーコート
・グラス(芝)コート
・人工芝コート
・砂入り人工芝コートなど多岐にわたるため、
それぞれのサーフェス(面)に適した専用の靴を選ぶ必要があります。
サッカーや野球、ラグビーでは
・土
・天然芝
・人工芝といったサーフェス(面)があり、
最近では維持管理が簡便な人工芝が急速に普及しています。
これらの競技は先ほど例にあげたテニスとは違いスパイク(スタッド)の有無と
高さ、形状がここでは重要になります。
土のグランドではスタッドがすり減りやすく
すり減った状態では接地時にバランスを崩し障害に繋がるため、
スタッドが交換できるものは頻回にスタッドを交換し、
ソール一体型の場合は早めに買い替える必要があります。
私、赤嶺もサッカー現役時代は練習用、試合用のスパイク
さらにそれぞれ土のグランド用、芝のグランド用に関しては
ソール一体型、取替式と合計4足程持っていました。
当時の沖縄はほとんどが土のグランドで練習および試合を行っていたので、
土のグランドで使用する練習用スパイクは素材やパフォーマンスを重視というよりは
最低限足に合った¥3,000程度の安いスパイクを3ヶ月〜6ヶ月ぐらいで小まめに買い換えていました。
全国遠征の際はほとんどが芝のグランドになるので、
天然芝なのか人工芝なのか、
芝の深さやピッチコンディションに合わせて
芝用のソール一体型か取替式かを決めていました。
ここで注意しなければならないのは天然芝と人工芝の違いです。
どちらも土のグランドと違いスパイクが芝に引っ掛かり、
ある一定以上の力がかかると天然芝ではめくり上がるのに対し
人工芝の場合はそれが起きないため、その分関節に負担がかかりやすく
足関節や膝関節の捻挫やサッカー選手に多い
難治性の疲労骨折であるジョーンズ骨折(第五中足骨骨折)の要因となります。
したがって、人工芝のグランドで使用するスパイクは
人工芝専用表記のあるスタッドが低めのスパイクを選んだ方がいいでしょう。
野球ではスパイクの材質が金属製と樹脂製があるが、
ジュニアではルールで使用できる素材が定められているので、
ルールに則ったスパイクを使用しましょう。
ジュニア選手においては骨の成長過程にある為、
パフォーマンス重視した靴選びをしてしまうと
身体への負荷が過度になり障害の原因となるので、
パフォーマンスと成長とのバランスを常に心がける必要があります。
小学生の間はスタッドの数の多く、高さが低いスパイクか
トレーニングシューズを選ぶといいです。
野球では金属スタッドに固定式、取替式
合成樹脂製のポイントスパイク
ラバー製トレーニングシューズと種類がありますが、
主流である金属製はグリップ力が高いものの、足への負担が大きくなります。
最近ではプロでも広島東洋カープの菊池選手をはじめ
合成樹脂製のポイントスパイクを使用している選手もいるようです。
グリップ力は金属製より劣るものの大差がなく
クッション性と軽量であることからパフォーマンスに影響を与えることなく
怪我の予防ができるという面では使用する価値が高いといえます。
サッカーにおいてはも固定式、取替式があり
最近ではミックス型をオーダーメイドで作成できるものもあるようです。
サッカーのスパイクシューズには様々な種類があり、それぞれに適したプレー環境があります。
柔らかい天然芝と硬いグラウンドとでは、履くスパイクも変えるべきです。
スパイクシューズの商品名には「HG」や「AG」、などといった記号が付いています。
この記号を見ていけば、そのスパイクがどんな場所に適しているかが分かります。
・HG(ハードグランド)
硬くて乾いた土のグラウンドでの使用に適したスパイクです。
摩擦によりグリップを得るため、足と地面との接地面が大きく、スタッドの高さが低いのが特徴です。
また、スタッドの数の多い「固定式」のタイプになります。
足への負担が小さく済むタイプのため、日本の学校や運動場に多く見られる硬い土のグラウンドでの使用に適しています。
逆に柔らかいグラウンドや雨に濡れたグラウンドでは、滑りやすくなってしまいます。
・FG(ファームグランド)
ファームグラウンドとは天然芝のことです。
FGは、日本によく見られる短く滑りやすい天然芝のグラウンドでの使用に適したスパイクです。
硬めの地面にも適度に突き刺さる、細く長いスタッドになっています。
またスタッドの数も少ないため、グリップ力に長けています。
ただし人工芝ではスタッドが折れてしまうことがあるため、使用しないようにしましょう。
・AG(アーティフィシャルグランド)
アーティフィシャルグラウンドは人工芝を意味します。
AGは毛足が長く引っかかりやすい人工芝のグラウンドでの使用に適したスパイクです。
人工芝はスタッドに引っかかりやすいため、天然芝よりも滑りづらく、その分足に負担がかかりやすくなります。
そのためFGよりもいくぶん地面との接地面を大きくする設計になっており、足への負担が少なくなっています。
・SG(ソフトグランド)
海外によく見られる長い天然芝のグラウンドや雨によって滑りやすくなったグラウンド、
もしくは柔らかい土のグラウンドのことを指します。
柔らかったり滑りやすかったりするグラウンドでのプレーには、
しっかりと地面に突き刺さるような高いグリップ力が求められます。
そのため、SGはアルミニウムの取り替え式スタッドが多く見られます。
SGのスパイクは硬いグラウンドには使用できません。
また消耗がはやくなるため、スタッドの交換が必須になります。
スパイクのスタッドにはさまざまな種類があり、それぞれに役割の違いがあります。
スパイクを選ぶ際は、それぞれのスタッドの特徴をきちんと把握した上で選ぶことが大切です。
グラウンドにも様々な種類や状況があって、
すべて同じスパイクで対応できるわけではありません。
プレー場所によってスパイクを使い分けることが大切です。
そうすることでパフォーマンスが向上するだけでなく、ケガの防止にもつながります。
《参考文献》
田中康仁、笠次良爾:こどものスポーツ外来
山 崎 信 寿 ・富 田 祐 司:足 と 靴 の バ イ オ メ カ ニ ズ ム
齋田良知、西尾啓史、稲葉晃子:Jones骨折の発生要因と予防
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